放射線基礎知識編



 放射線にはどんな種類がありますか?

放射性物質から放出される放射線には、α(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマ)線などがあり、それぞれものを通り抜ける能力が違います。

α線はものを通り抜けにくく、紙1枚や数cmの空気で止まってしまいます。

β線はα線より通り抜けやすいですが、薄い金属やプラスチックの板でさえぎることができます。

γ線はものを通り抜けやすく、鉛や厚い鉄の板などの重い金属などでないとさえぎれません。X(エックス)線はγ線に似ていますが、一般的にはエネルギーが低いので通り抜ける能力はγ線より弱くなります。

放射線の種類

 

放射線の単位にはどのようなものがありますか?

放射性物質の原子核はエネルギー的に不安定な状態にあり、放射線を出して、別の原子核か同じ原子核のより安定な状態に変わります。このことを「壊変」といいます。ベクレル(Bq)は、1秒間に原子核が壊変する回数の単位で、放射線を出す能力(放射能)をあらわし、1秒間に1回壊変する場合、1ベクレルと表します。

放射性物質が壊変して、その物質の量が半分になるまでの時間が「半減期」です。

グレイ(Gy)は、放射線がある物質に当たったとき、その物質に吸収されるエネルギー量(吸収線量という)を表す単位です。

また、シーベルト(Sv)は、放射線被ばくの量を表す単位で、人体が放射線を受けたとき、その影響の度合いを意味します。

放射線の人体への影響の程度は放射線の種類(α線、β線、γ線)やエネルギーによって異なります。また、放射線を受けた人の組織・臓器によっても影響の程度は異なります。放射線の種類や組織・臓器ごとの影響を全身で合計したものが実効線量(単位はシーベルト)です。実効線量が同じであれば、放射線の種類、放射線の受け方(外部被ばく、内部被ばく)、さらに自然放射線か人工放射線かの違いなどに関わらず、人体に及ぼす影響は同じと判断できます。

また、1分間に計測される放射線の数を「計数率」〔代表的な単位としてcpm:count per minute〕といいます。表面に付着した放射性物質をGM(ガイガーミュラー)式サーベイメータなどの放射線測定器で、放射線の種類やエネルギーの区別無く放射線の数を計測するときなどにこの単位が使われます。

 

放射線に関する量(グレイやベクレルの単位で表されるもの)をシーベルトに換算するにはどうすればいいのですが?

それぞれの単位からの換算方法が決まっています。

身の回りの環境からの放射線による外部被ばく量の実効線量の評価は、空間でのあらゆる方向からの被ばく線量によるため、モニタリング指針(※)では空気吸収線量率(μGy/h(マイクログレイ/1時間あたり)を測定して求めることになっています。

空気吸収線量(グレイ)から実効線量(シーベルト)を求めるには、緊急時は1グレイ=1シーベルトとして換算できるとしています。

※環境放射線モニタリング指針(原子力安全委員会、平成20年3月、平成22年4月一部改訂)
 http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/shinsajokyo/pdf/100327_kankyo_monita.pdf
 

 

食べ物などとともに放射性物質を体内に取り込んだ場合の内部被ばくによるその影響は、放射性物質によって影響が異なるため、放射性物質の種類ごとに評価します。そのため、放射性物質の種類ごとにベクレルからシーベルトに換算するための係数(実効線量係数という)が国際放射線防護委員会(ICRP)から示されています。放射性物質の種類ごとに求めたシーベルト数を合計して内部被ばくの預託実効線量を求めます。

それぞれの単位や計測機器及び換算の考え方などを図にまとめました。

 

 

 

 

私達の身の回りにはどんな放射線がありますか?

私たちの身の回りには、自然放射線と、人工放射線の2種類があります。

(1)自然放射線

1) 大地からの放射線

大地の岩石や土にごくわずかに含まれるウラン、トリウム、ラジウム、カリウム40などの自然の放射性物質から出る放射線です。

私たちが大地から受ける放射線は地質によって異なりますが、日本では年間約0.33ミリシーベルトです。

2) 宇宙からの放射線(宇宙線)

宇宙から地球に飛んでくる放射線です。

高度や緯度によって異なりますが、私たち日本人が地上で受ける量は年間約0.3ミリシーベルトです。

3) 空気中からの放射線

大地に含まれるラジウムは、放射線を出して気体の放射性物質ラドンに変わります。ラドンは地中から空気中に拡散し、呼吸によって体内に取り込まれます。

建材として使われるコンクリートにもラジウムがいくらか含まれているので、建物からもラドンがわずかに拡散されます。 建物の密閉性、換気の回数によって、部屋の中に残るラドンの量は違ってきます。 日本人が呼吸から取り込んだラドンなどにより受ける平均放射線量は、年間約0.48ミリシーベルトです。

4) 食物からの放射線

ほとんどの食物には放射線を出すカリウム40などが含まれています。私たちは日常生活で食物を食べることにより、体の内側からも放射線を受けています。

摂取した食物から受ける平均放射線量は、日本人では年間約0.98ミリシーベルトです。

一口メモ:カリウム40とは…

放射線を出すカリウムで、自然界のカリウムに約0.01%含まれています。

 

 

 

(2)人工放射線

1) 医療用放射線

レントゲンやCTスキャンなどによる診断やがんの治療など医療現場で使われる放射線です。

その量は、これらの診断、治療をどれくらい受けるかによってかなり個人差があります。 例えば、胸部X線集団検診は1回あたり0.05ミリシーベルト程度、胸部X線CTスキャンは1回あたり6.9ミリシーベルト程度です。日本人が医療現場で受ける平均放射線量は、年間約3.87ミリシーベルトです。

2) 放射性降下物などからの放射線

放射性降下物とは、大気圏内の核実験や原子力施設の事故により大気中に放出され、雨やちりと一緒に地表や海に降りそそいでくる人工の放射性物質のことです。

過去に大気圏内で行われた核実験やチェルノブイリ原子力発電所事故のような原子力施設での大規模な事故により放出されたセシウム137などの放射性物質が降下物となって、わずかに地表や海に残っています。

しかし、日本では年間0.005ミリシーベルト程度と、自然放射線に比べてとても低い値です。

3) 原子力施設からの放射線

原子力発電所などの原子力施設からも放射線は出ています。年間0.0001ミリシーベルトと自然放射線と比べてはるかに少ない量に管理されています。 「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(原子炉等規制法)では周辺監視区域の境界の基準として、1年間の一般公衆に対する線量限度を1mSv(ミリシーベルト)と定めています。

 

なぜ身の回りの放射線を測っているのですか?

放射線は目で見ることができません。しかし専用の装置を使うことによって測ることができます。

身の回りの放射線を測る調査は、原子力規制庁により全国規模で行われています(全国環境放射能水準調査)。この調査から身の回りの放射線に、地域差がどの程度あるかわかります。

継続して調べることにより、どのように変わっているかも知ることができます。

また、核実験の実施や原子力施設の事故などが起きた場合、身の回りの放射線量を常に把握しておくことで、万が一の事態を迅速かつ正確に把握することができます。

さらに、このようにして蓄えられたデータは、放射線が私たちの体にどのような影響を及ぼすかを考える上で基礎的な資料となります。

当センターでは現在、次のような装置を使って身の回りの放射線を測定しています。

(1) モニタリングポスト

大気中の放射線(空間放射線といいます)の影響を調べるためには、放射線(α(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマ)線など)のうち、洋服や靴などでは遮蔽されず人体内に到達するγ線の強さを把握する必要があります。

モニタリングポストは、大気中のγ線の空気吸収線量率を連続して測定できる固定型の装置です。放射線が検出器に当たると、検出器内でかすかな光を発する仕組みになっており、その光の信号を増幅して測定器で放射線量として計測します。

東京都健康安全研究センターでは、NaI(ヨウ化ナトリウム)シンチレータを検出器に用いたモニタリングポストを、周辺環境の構造物等による遮蔽の影響が少ない建物の屋上(地上約22m、床面より180cmの高さ)に設置して、1年を通して24時間連続で自動測定しています。モニタリングポストでは、極めて低い放射線量まで精密に測定することができます。

  

※ モニタリングポストを設置している建物の解体工事に伴い、平成25年7月25日に、これまで設置していた 建物の屋上(地上約18m)から隣の建物の屋上(地上約22m)に移設しました。なお、当センター敷地内の工事完了後にはモニタリングポストを地上に移設する予定です。

 

 

モニタリングポスト

 

 

(2) γ(ガンマ)線核種(かくしゅ)分析装置(ゲルマニウム半導体検出器)

γ線核種分析装置は、採取した試料の中に、どのような放射性物質がどれくらい入っているかを測るための装置です。

当センターでは大きな採集容器(大型水盤)を屋上に置き、1ヶ月間の雨やちりを採集して測定しています。

また、都内でサンプリングした水、食物、土壌を測定しています。

現在は、降下物や蛇口からの水道水については毎日測定を行っています。

 

γ線核種分析装置

 

大型水盤

 

(3) β(ベータ)線測定装置

β線の合計量を測る装置です。放射性物質の種類を判別することはできませんが、短時間の測定で結果がわかるためスクリーニング検査として使用します。

当センターでは、降雨があるたびに平日朝9時に雨水を採水し、測定しています。

 

β線測定装置

 

降雨採水器

 

使用する測定機器により、空間放射線量の測定結果には違いがありますか?

放射線を測定する機器には、モニタリングポストのほかに、測定の目的・用途に合わせ、空間放射線量の測定や、人や物に付着している放射性物質(表面汚染)のチェックを簡便に行う各種のサーベイメータ、個人が受ける放射線量の測定・管理を行う電子ポケット線量計などがあります。

サーベイメータには、放射線の検出方法の違いにより、いくつかの種類があります。それぞれの方式で検出できる放射線の種類や放射線量の大きさなどが異なるため、同じ場所で測定しても数値が変わる場合があります。

サーベイメータは、小型で持ち運んで測定することができますが、24時間連続的に自動測定するようには作られていません。平常時からの空間放射線量を監視するためには、固定して常時測定できるモニタリングポストが適しています。

また、簡易な測定器では、低い放射線量の測定には困難であるため、測定に誤差が生じて、測定結果のばらつきが大きくなります。

以下に、空間放射線量測定に使用されている機器を紹介します。

(1) シンチレーション式サーベイメータ

シンチレーション式サーベイメータは空間放射線量率を測定します。モニタリングポストと同じくGy(グレイ)で表示するタイプとSv(シーベルト)として表示する2つのタイプがあります。

a)Gyで表示するタイプ

モニタリングポストのγ線解析能力を簡易にした装置です。測定値の正確さではモニタリングポストが優りますが、持ち運びできるので、任意の場所の空気吸収線量率(μGy/h)を測定することができます。測定結果を、緊急時は1Gy=1Svで換算して実効線量を求めます。

シンチレーションサーベイメータ(TCS166)

日立アロカメディカル(株)

 

b)Svで表示するタイプ

人の被ばく線量を測定する目的で、1cm線量当量率という値で放射線量(単位はμSv/h(マイクロシーベルト/1時間あたり))を表示します。(※)

単位はa)で説明したSvと同じですが、1Gy=1Svで換算して求めた実効線量とは異なるものです。

※環境放射線モニタリング指針(原子力安全委員会、平成20年3月、平成22年4月一部改訂)  http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/shinsajokyo/pdf/100327_kankyo_monita.pdf

 

(2) GM式サーベイメータ(いわゆるガイガーカウンター)

GM式サーベイメータは、1分間(または1秒間)に、検出器に当たった放射線の数を数えます。機種によって、β線をγ線と区別なく数えるものや、検出器をアルミで覆いβ線を遮蔽することにより、γ線を数えるものなどがあります。測定結果はそのままcpmやcps※で表示されるものと、cpm等をSvに換算して表示されるものがあります。

GM式サーベイメータは、主に、人や物に付着した放射性物質(表面汚染)の測定に使われます。

GM式サーベイメータで空間放射線量を測定する場合は、検出器をアルミで覆うことが重要です。アルミの覆いがないとβ(ベータ)線が遮蔽されないので、測定結果がより高くなる傾向があります。

同様に、一般に市販されている小型のGM式サーベイメータのうち、β線を遮蔽する機能が十分でない機種では、放射線量が低い場所(自然放射線が大部分を占める環境)を測定した場合、自然放射線のうちエネルギーが高いβ線も計測されます。そのため、計測結果(cpm等)から換算してSvに表示する機種では、数値はシンチレーション式サーベイメータによる測定結果より高くなる可能性があります。

※cpm(count per minute)は1分間に計測した放射線の数、cps(count per second)は1秒間に計測した放射線の数です。

表面汚染の測定用(β線及びγ線を測定)

GM式サーベイメータ(TGS-146B)

日立アロカメディカル(株)

(3) ポケット線量計

一般的に小型の携帯用線量計の総称として使われています。測定の原理はシンチレーション式サーベイメータと同様のもの、GM式サーベイメータなどと同様のものなど、機種によりさまざまです。

個人が受けるγ線やX(エックス)線などの放射線量を測定するための機器で、医療従事者や放射性物質を取り扱う従事者などが、一定期間に受けた放射線量(積算線量)を知るために用います。

標準的なものは、1マイクロシーベルトのレベルで測定が可能です。身に着けて簡便に取り扱え、その場で被ばく線量を読みとることができます。

高性能個人被ばく線量計 DOSEi―nγ

富士電機(株)

高性能個人被ばく線量計 DOSEi―γ

富士電機(株)

* 検出器は、シリコン半導体検出器を使用

 

身の回りの放射線の測定結果はどうなっていますか?

(1) 都内の状況

図1は、新宿区にある当センターにおける2009年度のモニタリングポストによる測定結果です。

それぞれの縦線は1日ごとの最小値から最大値を表しています。

図1 2009年度東京(新宿)の空間線量率(当センター調べ)

この図1で放射線の量がゼロでないのは、大地や空気中にはわずかながらも放射性物質が常に存在し、それらが測定されるためです。またときどき縦線が飛び出しているのは、放射線の量が天気や気象条件によって変化することがあるためです。

大気中にある自然の放射性物質を含むちりは、雨が降ると雨と一緒に地表に落ちてきます。このため、雨の日は放射線の量が高くなることがあります。また、地表から大気中に広がっていくラドンは、雨に邪魔され広がることができません。これも雨の日に放射線の量が上がる原因になります。黄砂などによっても放射線量が上がることがあります。

逆に雪が積もると、雪によって地表からの放射線がさえぎられ、値が低下することがあります。

(2) 全国の状況

西日本は東日本に比べて、放射線量が高い傾向にあります。これは、西日本が東日本に比べてウランやトリウム、ラジウムなどの自然の放射性物質を含む花崗岩(かこうがん)が多いため、大地からの放射線の量が多くなるからです。

文部科学省の全国環境放射能水準調査結果

μSv/h(マイクロシーベルト/毎時)

  平常時 測定結果(一日の平均値)
平成23年3月15日※ 平成23年7月1日
東京都新宿区 0.028~0.079 0.144 0.059
岐阜県各務原市 0.057~0.110 0.061 0.061
鳥取県東伯郡 0.036~0.110 0.067 0.065
山口県山口市 0.084~0.128 0.092 0.090

※ 3月15日は東京都において福島第一原子力発電所の事故後に大気中の放射線量が最も高い値になった日です。

図2 日本各地の空間放射線量率(2004年度)

財団法人日本分析センター『ようこそ「日本の環境放射能と放射線」へ』より改編

(3) 世界の状況

2008年の原子放射線の影響に関する国連科学委員会の報告書によると、世界全体の自然放射線の年平均線量は1~13(平均2.4)ミリシーベルトです。

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身の回りの放射線はここ数十年でどのようになっていますか?

図3は、雨やちりなどの降下物に含まれる人工放射性物質の1つであるセシウム137の、日本における毎月の降下量の経年変化を表したものです。 縦軸の目盛りは、1つ上がるごとに10倍になっています。

1950年代後半から1960年代前半には大気圏内で核実験がさかんに行われました。この結果、これらの核爆発でできた人工放射性物質が大気中に広がり、雨やちりと一緒に地表に降り続けました。 大気圏内核実験は1980 年を最後に行われなくなり、地表近くの人工放射性物質は少しずつ減ってきています。1986年にチェルノブイリ原子力発電所事故が起こりました。この事故でセシウム137を始めとする人工放射性物質が環境中に放出され、一時的に日本でもセシウム137などの降下量が高くなりました。しかしその後すぐに元に戻り、近年(福島第一原子力発電所の事故前)は1963年当時の約1/1000程度となっています。

なお、平成23年3月12日に発生した福島第一原子力発電所の事故により、3月22日にセシウム137の値は5,300Bq/㎡となり、平成23年3月の放射性物質の降下量は過去最大を記録しましたが、その後低下し、5月15日以降は、毎日の降下物の測定では概ね、不検出の状況が続いています。

図3 日本における降下物中のセシウム137降下量の経年変化

財団法人日本分析センター『ようこそ「日本の環境放射能と放射線」へ』より改編

 

現在ホームページで公開されているデータを計測している場所はどのようなところですか?

環境放射線量は、都内8か所に設置したモニタリングポストで計測しています。

従来から新宿に設置しているモニタリングポストは、当センターの建物の屋上(地上約22m)に設置しています。

東京電力福島第一原子力発電所の事故以後に増設したものなど、新宿以外のモニタリングポストは地上に設置しており、検出器は1mから1.8mの高さになっています。

降下物は当センターの屋上(地上約22m)に設置された大型水盤で収集し、蛇口水は敷地内の水道直結管から採取し、いずれもゲルマニウム半導体検出器を使用して計測しています。

 

※ モニタリングポストを設置している建物の解体工事に伴い、平成25年7月25日に、これまで設置していた建物の屋上(地上約18m)から隣の建物の屋上(地上約22m)に移設しました。なお、当センター敷地内の工事完了後にはモニタリングポストを地上に移設する予定です。

 

測定場所により測定された数値の違いはありますか?-空間放射線量の測定の高さによる違いについて-

以下の理由から、測定する場所の周辺環境の違いにより、測定値が異なる場合があります。

  • (1) 高い建物の傍などでは、建物によって空中からの放射線が遮断される一方、建物のすぐ傍ではコンクリート等建材などからの放射線の影響を受ける
  • (2) 測定場所の地質や地表面の降下物、樹木や建物等の有無などの周囲の環境によって、それらに存在する天然及び人工放射性物質の影響を受ける

東京都健康安全研究センターが、屋上面や地表面など高さの違う場所で測定した結果、モニタリングポストの測定値とほぼ変わらない値でした。

 

                              【測定場所の違いによる測定値の比較】

                                      ① 平成23年4月26日測定

                                      ②   平成23年5月9日測定

                                      ③   平成25年7月19日測定 

                                      ④   平成25年7月26日測定 

 

※ モニタリングポストを設置している建物の解体工事に伴い、平成25年7月25日に、これまで設置していた建物の屋上(地上約18m)から隣の建物の屋上(地上約22m)に移設しました。③は移設の前に、④は移設の後に測定した結果です。なお、当センター敷地内の工事完了後にはモニタリングポストを地上に移設する予定です。

  

 

放射線量の基準はありますか?

一般の人が受ける放射線量としては、国際放射線防護委員会(ICRP)が2007年に勧告を出しており、その中で、 一般の人に対する放射線量の指標を3つの範囲で設定しています。緊急時は20~100ミリシーベルト、 緊急事故後の復旧時は年間1~20ミリシーベルト、平常時は年間1ミリシーベルト以下としています。

国の原子力安全委員会においても、この勧告を踏まえた考え方を示しています。

【参考】平成23年4月11日原子力安全委員会資料「放射線防護の線量の基準の考え方」
     http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/info/bougokijun.pdf

 

放射線量について:1ミリシーベルトの持つ意味は?

国際放射線防護委員会(ICRP)が2007年に出した勧告で、平常時における管理できる範囲での、一般の人の年間積算線量の値です。これは、一般の人が受ける原子力施設からの放射線の量をなるべく低く抑えて管理しようとするための指標であり、健康に影響を及ぼすか否かを示す基準ではありません。またこの指標値には、自然界から受けると言われている年間2.1ミリシーベルト(日本平均)の放射線量や医療行為によって受ける放射線量は含まれていません。

国内では、国の原子力安全委員会が平常時のモニタリングとして、原子力施設の周辺住民等の健康と安全を守るため、 環境における原子力施設に起因する放射性物質又は放射線による周辺住民等の線量が年間1ミリシーベルトを十分に下回っていることを確認し、その結果を周辺住民等に提供することとしています。

なお、環境省では、放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染状況重点調査地域の指定や、除染実施計画を策定する地域の要件を、毎時0.23マイクロシーベルト以上の地域であることとしました(測定位置は地上50cm~1m)。この数値は、追加被ばく線量年間1ミリシーベルトを、一時間あたりの放射線量に換算し、自然放射線量分を加えて算出されたものです。

 

※ 線量の換算方法

追加被ばく線量年間1ミリシーベルトを、一時間あたりに換算すると、最大で毎時0.19マイクロシーベルトとなります。(1日のうち屋外に8時間、屋内(遮へい効果(0.4倍)のある木造家屋)に16時間滞在するという生活パターンを仮定)

毎時0.19マイクロシーベルト×(8時間+0.4×16時間)×365日=年間1ミリシーベルト

測定器で測定される放射線には、事故由来の放射性物質による放射線に加え、大地からの放射線(毎時0.04マイクロシーベルト)が含まれます。このため、測定器による測定値としては、

0.19(事故由来分)+0.04(自然放射線分)=毎時0.23マイクロシーベルト

である場合、年間の追加被ばく線量が1ミリシーベルトになります。

 

詳細は以下を参照してください。(環境省ホームページ)

http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=18437&hou_id=14327

 

 

放射線量について:20ミリシーベルトの持つ意味は?

国際放射線防護委員会(ICRP)が2007年に出した勧告では、事故発生等の緊急時における放射線防護の基準値を20~100ミリシーベルトとしており、その下限値です。この値を考慮して、国は、事故発生から1年の期間内に積算線量が20ミリシーベルトに達するおそれのある区域を「計画的避難区域」としています。

また、同じ国際放射線防護委員会(ICRP)が2007年に出した勧告では、事故収束後の復旧期における管理できる範囲での、 一般の人の年間積算線量として1~20ミリシーベルトという値を示しており、その上限となる値でもあります。

国際放射線防護委員会(ICRP)によれば、事故継続等の緊急時の状況における基準である20~100ミリシーベルトを適用する地域と、 事故収束後の基準である1~20ミリシーベルトを適用する地域の併存を認めています。この考え方を受けて文部科学省が、 「福島県内の学校の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方」を公表しており、その中で利用判断の暫定的な目安として、 年間20ミリシーベルトを上限とする考え方が示されました。

【参考】首相官邸災害対策ページ
http://www.kantei.go.jp/saigai/20110411keikakuhinan.html
【参考】文部科学省報道発表
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1305173.htm

 

放射線量について:100ミリシーベルトの持つ意味は?

短期間で100ミリシーベルトの放射線量を超えると線量の上昇とともにがんのリスクが高まることが分かっています。 放射線量が100ミリシーベルトを超えない範囲では、放射線ががんを引き起こすという科学的な証拠はないと言われています。

【参考】原子力安全委員会「低線量放射線の健康影響について」
http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/info/20110520.html
【参考】第31回原子力安全委員会速記録(平成23年5月12日)49~50ページ
http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/anzen/soki/soki2011/genan_so31.pdf
【参考】独立行政法人放射線医学総合研究所Q&A
http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i13